新生ヴァルハラストーリー非公式翻訳 「月と太陽」

この世界は古代ヴァルハラの神々によって大昔に創造されました。 神々はそれぞれの思惑のために自身の代理となる者達を選び『ルーラー』とし、彼らの神性の一部を与え自分の代わりに戦わせました。ルーラー達は半ば宿命と化した終わりなき戦いを続けていました。そして現在ではもう10人しかルーラーは残っていません。

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ミネルヴァにて

 


ブリュンヒルデは地平線を見つめながら夜があけるのを待っていた。 彼女の側には、彼女の忠実な兵士の階級である戦乙女が立っていた。ブリュンヒルデは、この世界の始まりの頃を思い出していた。 当時は多くの国があり、それぞれが土地の支配権を争っていた。 しかし時が経つにつれて、最も強いものだけが残った。 ミネルヴァの軍隊を振り返って、ブリュンヒルデは彼女が誇りに思っていた兵士を見わたした。 主神オーディンが不在の間、司令官を務めていたブリュンヒルデは、兵士達を数え切れないほどの戦いに導き、そして勝利を収めていた。 オーディンの加護がある限り、そして死の向こうからの戦いに再び加わることができる限り、彼女にとって勝利はごく自然なことであった。

 


まもなく夜が明ける。彼女のアドレナリンが上昇し始めたとき、ブリュンヒルデは人々に呼びかけた。 お前達はどのような理由で戦争に行く? 名誉か、栄光か? 平和のため? 復讐? それとももっと大きな理由はないのか?

 


ブリュンヒルデは微笑んだ。 他の者についてはわからないが、私の理由は明らかだ。 彼が戻ってくるときのために私の主に世界以上のものを捧げることだ。

 


"全軍進め!"

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ルナヘヴンにて

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アトム・シークハルトは庭でお茶を飲んでいる間、熟考していた。 彼の最近のルーン類の分類に関する研究は画期的なものになり、おそらく異なる属性のルーン文字を利用するための実行可能な方法があるかもしれないことを証明した。 彼が熟考し続けている間、彼に怪しい影が近づいていた。

 


「わぁっ!」後ろから声がする。

 


アトムはイライラしながらふわふわの耳を持つ少女を見つけた。

 


「アユ、私は今忙しいんだ。」

 


「くすくす…」アユはアトムと一緒にテーブルに着席する前に、からかって言った。

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アトムが最後にアユを見てから数ヶ月が経っていた。彼女は気まぐれに出入りするタイプで、時には外国のお土産を持って帰ったり、他の文化の奇妙な服を着たりしていた。 最初のうち、彼は彼女のことを心配したが、百年も経てばそれにも慣れたものだった。 百年前、彼は風の魔導師と取引をした。

 


「それで、何してるの?」アユは尋ねた。

 


「...ルーン文字の研究だ。」

 


「ああ...クールね、クール...」アユは思わず答えた。

 


2人会話はそこで終わり、アトムは一時的に研究に戻ることができた。

 


「ねぇ、あなたは誰かに見られているような感覚がすることってある?」アユはもう一度尋ねた。

 


「はぁ……たしかにそんな感じはするな」とアトムは彼の本から調べずに答えた、「例えば今みたいに」

 


「本当に!…ああ。そういう意味なの。おもしろくない」アユしょんぼりとした。

 


「いやいや!本当に最近誰かが私を見ているような気がするの」

 


「まだこの茶番を続けるのか?...まあ、キミの格好はかなり目立つからね」

 


「誰も周りにいないときも視線を感じるの」

 


「それだけでキミの妄想にすぎないな。」アトムはまっとうに答えた。 「とにかく、今日はどんな用だ?」

 


「そうそう!今日のトップニュース!!外の世界から来た人がいるみたいだよ!」

 


「うーん?」アトムは彼の足元まで飛び降りる前に彼の本から調べた。 「ちぇっ、また忌々しいブリュンヒルデか?あいつは諦めが悪いからな」

ゼウスが送った天使たちでルナヘヴンを守るための戦力には十分な数だったが、アトムはブリュンヒルデと戦うために戦場にいることを好んだ。

 


ルナヘブンの街は何世紀にもわたってミネルヴァと戦ってきた。 しかし、アトムとブリュンヒルデの間の因縁は、古代のヴァルハラの時代から続いていた。 アトムは、当時のオーディン軍の盾の乙女であるブリュンヒルデと戦った旧世界を今でも鮮やかに思い出した。

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「ううん、違うわ。ブリュンヒルデじゃない。 私みたいに外の世界から来た人ね。 “観測者”よ。」

 


その時、庭に「不思議」な少女が現れた。

 


「ねぇ、おかしな猫がここを通らなかった?」

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To Be Continued…